《3分で分かる》アポロとは?

アポロとは?

アポロ…

([ギリシャ語]Apollōs) アレキサンドリヤ生まれのユダヤ人.雄弁で,旧約聖書に通じていた.彼は,パウロがパレスチナを訪れている間に,エペソにやってきた(使18:22‐24).すでに「主の道の教えを受け」ていた彼は,そこで「霊に燃えて,イエスのことを正確に語り,また教えていたが」その理解には欠けがあった(使18:25).ヨハネのバプテスマ(洗礼)しか知らず,キリスト教のバプテスマに無知であったこと,そしておそらくは,聖霊の注ぎも知らなかったことである(使19:1‐7に見られる,ヨハネのバプテスマしか知らないエペソの弟子たちは,アポロの伝道の結果と思われるが,彼らは聖霊に対して無知であった).会堂で大胆に語るアポロの話を聞いたプリスキラとアクラは,問題に気づき,おそらくは家に招いて,もっと正確にキリスト教信仰を教えた.彼はアカヤに渡りたいと思っていたので,エペソのキリスト者たちは推薦状を書いて彼を励まし,送り出した.コリントに到着したアポロは,そこの教会に大いに貢献した.特にイエスがメシヤであることを旧約聖書から論証し,ユダヤ人に対する弁証に力を発揮した(使18:26‐28).
アポロがコリントの教会に大きな影響力を与えたことは,パウロのコリント人への手紙第一から知ることができる.その情熱と雄弁にひかれた人々は,教会の創設者パウロ以上にアポロを指導者と仰ぎ,「アポロ党」を名乗った.パウロはこうした党派心をいさめ,神が用いたしもべにすぎない人間の指導者を誇らないように戒めた(Ⅰコリ1:12,3:4‐6,21‐22,4:6).自分の宣教は「説得力のある知恵のことば」によらない(Ⅰコリ2:4)とか,自分には「ある人々のように」推薦状がいらない(Ⅱコリ3:1)といったパウロのことばは,アポロの存在を意識したものかもしれない.しかしパウロは,「私が植えて,アポロが水を注ぎました」(Ⅰコリ3:6)と述べて,彼の果たした役割を評価している.この手紙が書かれた時,アポロはすでにコリントを離れ,エペソのパウロのもとに来ていたようである.パウロは彼に,コリントを再訪するよう強く勧めたが,アポロは断った.彼も,コリントの教会の党派心を好ましく思っていなかったのかもしれない(Ⅰコリ16:12).テト3:13によれば,その後も彼は巡回伝道を続けたようである.

(出典:内田和彦『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)

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