《3分で分かる》アシェル(族)とは?

アシェル(族)とは?

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アシェル(族)…

([ヘブル語]’āšēr) 「幸福な」「祝福された」という意味.新約では「アセル」.⒈ヤコブの第8子で,レアの女奴隷ジルパが産んだ第2番目の子(創30:13,35:26).アシェルは4男1女の父となった(創46:17).ヤコブの最後の祝福のことばによってアシェルの子孫の繁栄が予告された(創49:20).
⒉アシェルを祖とするイスラエルの部族.その部族が所有した土地をもアシェルと言う.アシェル族の人口調査表は民1:40‐41,26:44‐47,Ⅰ歴7:30‐40に載せられている.この部族は主要な5氏族(イムナ族,イシュビ族,ベリア族,ヘベル族,マルキエル族)から構成されていた(民26:44‐46).アシェルはモーセの祝福を受けた(申33:24).この部族にヨシュアが割り当てた相続地は,ガリラヤ山地の西斜面から西に向かって地中海に達し,南はカルメル山頂から北はツロとシドンの付近にまで及ぶ平地であった.東はゼブルン部族とナフタリ部族の相続地,南はマナセ部族の相続地と境を接していた(ヨシ19:24‐31).アシェル部族の相続地からゲルショム族のレビ人に4つの町とその放牧地が与えられた(Ⅰ歴6:62,74‐75/6:47,59‐60).アシェル族は特に地中海沿岸の諸都市の大部分からカナン人を追い払うことができなかった(士1:31‐32).士師時代に,アシェル族はデボラを助けなかったが,ギデオンの陣営には加わった(士5:17,6:35,7:23).またダビデのために従軍の兵士を送り(Ⅰ歴12:36/12:37),ソロモンの治世には12行政区の1区となっていた(Ⅰ列4:16).北王国の滅亡後,ヒゼキヤの治世にエルサレム神殿で行われた過越の祭りに,アシェル族の代表も遠方から参加している(Ⅱ歴30:11).それ以後,この部族に関する記録がないが,新約時代になって,幼子イエスを見て喜んだ老女預言者アンナはアセル族の出身として紹介されている(ルカ2:36).ヨハネの黙示録では,救われるべき神の民の総勢がイスラエル12部族14万4千人として象徴的に描かれ,この中にアセル族1万2千人が含まれている(黙7:6).

(出典:村瀬俊夫『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)

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