《本読み人に聞く》信仰生活を彩る50選

カルチャー

新年の幕開けは、誰もが心新たにする時。早速、今年の目標づくりに取りかかるのもいいけれど、その前に、生活すべての基盤である信仰についての本を読んでみてはどうだろう。往年の名著から話題の新刊まで、編集部でセレクトした50冊をご紹介する。皆様が新たな一年を、神と共に歩み、輝かせるヒントに出合えますように。

一般文学編

1. カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー 著/亀山郁夫 訳)


ロシア生まれの世界的文豪、ドストエフスキーの代表作。彼の最高傑作の一つとされる。大筋の物語は、父親殺しの嫌疑をかけられた三兄弟を軸に展開するが、長大な内容の中に、信仰、死、国家と教会、貧困、家族、異性関係などさまざまなテーマが含まれており、読み応え抜群なのは間違いない。ドストエフスキーの小説の特徴なのか、登場人物によるいちいち長々とした言い分は、話の筋がはっきりしないようにも感じられてやや食傷気味だが、年間を通じて読破するには挑戦しがいのある作品。全四巻。

2. イワンの馬鹿(トルストイ 著/北御門 二郎 訳)

こちらもロシア発の世界的文豪、トルストイによる短編集。本作が、彼の他の代表的作品『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』と異なる点の一つは、トルストイが信仰に目覚めてから書いた作品だということである。収録された民話には、生きる意味を信仰に見いだした彼の、神への真摯な姿勢を見ることができる。「人は何で生きるか」、「人には沢山の土地がいるか」など一見教訓めいた話のようだが、ユーモラスで心優しい登場人物たちの口を通して、「本当に大切なのは何か」を読み手に優しく問いかける。

3. モンテ・クリスト伯(アレクサンドル・デュマ 著/山内義雄 訳)

日本では「岩窟王」としても知られる本作は、情熱的で純粋な青年、エドモンが主人公。幸せの絶頂にあったはずの彼は、ある日、知人の謀略によって無実の罪で投獄されてしまう。しかし、監獄で出会った一人の人物により巨万の富を得て脱獄し、自分を陥れた人間に復讐を開始する—。復讐劇はある種痛快でもあるが、エドモンが見せる神の前での葛藤は非常にリアリティがある。憎しみに身を焦がしながらも、神との関係を無視できない彼が、最後にどのような結末にたどり着くのか。全七巻。

4. クオ・ワディス(シェンキェーヴィチ 著/木村彰一 訳)

本作は、西暦一世紀、暴君ネロの統治下にあるローマが舞台。ローマ軍の将校ウィニキウスは、キリスト教徒の娘・リギアに心を奪われる。彼は気も狂わんばかりにリギアを追い求めるが、彼女の信仰と自身の立場とに葛藤する。そんな中、時代はネロによるキリスト教大迫害期へと向かう—。イエスの昇天後、使徒たちが活躍した時代の地中海世界をいきいきと描写しており、非常に臨場感に溢れた作品。ペテロやパウロ、信徒たちの信仰の息遣いを、聖書とはまた違ったかたちで感じとれる。上中下の三巻。

5. 悪童ロビーの冒険(キャサリン・パターソン 著/岡本浜江 訳)

牧師の息子であるロビーは、子どもらしい反抗から、神を信じるのをやめると決意する。クリスチャン家庭育ちの人なら、誰しも経験のある心の葛藤だろう。牧師の娘で、妻でもある著者が描く「家族」の物語。実にリアリティがある。

6. 奉教人の死(芥川龍之介 著)

洗礼こそ受けなかったものの、キリスト教に共感と親近感を抱いていたという芥川の切支丹もの短編集。著者の想像力と視点がおもしろい。慣れない文体の読みにくさはあれ、各話が非常に短いので、急がずじっくりと読み進めてみては。

7. 沈黙(遠藤周作 著)

日本のキリスト教文学史上、最も著名な作家の一人である遠藤周作の代表作。禁教時代の日本、大迫害の中にあって「沈黙する」神に当惑する宣教師、信者たち。信じるとは、信仰を生きるとは何か、本質的な問いに直面させられる。

8. 神の小屋(ウィリアム・P・ヤング 著/結城絵美子 訳)

最愛の娘を奪われた主人公のもとに、四年後、ある小屋への招待状が届く。失意の中、導かれるようにそこを訪ねた主人公は、人生を変える体験をする—。主人公の〝傷〟に読み手が抱える痛みが投影され、涙なくしては読めないかも。

続きは百万人の福音2019年1月号をご覧ください