編集者Sのオススメ『エクササイズⅢ』

信仰生活

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エクササイズⅢ ―ともに神の愛に生きる

ジェームズ・ブライアン・スミス

ジェームズ・ブライアン・スミス『エクササイズⅢ ―ともに神の愛に生きる』をご紹介します。『エクササイズ』シリーズはこの第3巻で完結します。Ⅰでは、神さまのご性質を知ることがテーマでした。Ⅱでは、クリスチャン生活とはどんなものかがテーマでした。このⅢでは教会がテーマになります。9つの章にわたって、教会のさまざまな面が取り上げられますが、ここではこの本の中から印象的だったエピソードを3つご紹介します。

  1. 教会に行かないでもクリスチャンでいられるのか
    スミス先生が副牧師になって最初にした仕事は、教会に来なくなった教会員を訪問することでした。名簿を見ながら電話でアポをとります。そんな中で、ある婦人が訪問を受け入れてくれました。婦人はスミス先生と信仰の話で盛り上がりました。婦人は信仰を大切にしていて、自分がデボーションをしている部屋も先生に見せてくれました。最後に先生が「また教会に来ませんか」とお誘いすると、婦人は「あんな所にはもう行きたくありません。自分の部屋で十分に信仰が養えます」と答えました。その婦人は教会につまずいていたのです。その帰り道、先生はがっかりしながらも、教会に行かなくても信仰生活は送れるのだろうか、と考えます。
  2. 多様な人々がキリストにおいて一致する共同体
    スミス先生は聖餐式の奉仕で、パンを配るのだそうです。そんなあるとき、パンを取ろうとして信徒たちが伸ばす手に、先生の注意が向きました。子供の手もあれば、老人の手もあり、男性の手もあれば、女性の手もあり、ごつごつした手もあれば、滑らかな手もあり、白人の手もあれば、黒人の手もあります。けれども、これらすべての手が、一つのパンから割かれたパン切れをもらっているのです。言うまでもなく、このパンはキリストのからだを表しています。教会には多種多様な人々がいますが、イエス・キリストにあずかるという、ただこの一点でみんなが繫がっています。そしてこの一点が非常に重要なのです。
  3. 誰もが帰ってくる原点である教会
    アメリカの教会には多くのクリスチャンホームがいます。けれども思春期を迎えると、多くの子供たちが教会から離れていきます。幼少の頃から当たり前だった信仰生活に疑問や反発を感じ、自分の意思で生きてみようとするのです。そんな青年たちが学校を卒業して就職し、結婚して自分たちの子供が生まれると、どういうわけかまた教会に帰ってくるのだそうです。それはまるで渡り鳥が、その季節になるとまた元の住みかに戻ってくるかのようです。スミス先生の考えによれば、青年たちは自分の意思で生きていこうとしてもなかなかうまくいかず、特に子供を育てることになったとき、何を土台として子育てをすればいいのかと悩んで、やっぱり教会に帰ってくるのだそうです。教会で教わったことが一番の土台になった、と自分が大人になってからわかるのだそうです。

ほかにも印象的なエピソードはたくさんありますが、それは実際に本を手にして読んでいただければと思います。教会を考えるうえで大切なヒントが満載されています。