『巨匠が描いた聖書』 著者に聞く『巨匠が描いた聖書』ここが魅力②

宣教・神学・教育

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芸術を宣教に活用バイブル&アートミニストリーズ

町田先生は、聖書と芸術を融合して福音を伝えるミニストリーを展開されていますが、どんな活動ですか。

一言で言えば、プロテスタント教会の中に、「芸術性」を取り戻すことにあります。
それは、単に中世やルネサンス、バロック時代に戻ることを意味しているのではなく、聖書を土台とした芸術性を取り戻すことです。神はこの天地万物をお造りになった創造者であられるとともに偉大な芸術家、デザイナーでもあられます。そのことを踏まえて、クリスチャンがもっと大胆に美術に関わり、美術の賜物を通して神様を証しし、キリストの素晴らしさをお伝えしようとしています。
具体的には、神学的な学び、セミナーの開催、クリスチャンアーティストの交わり、展覧会の開催、講演会、礼拝メッセージでの奉仕などを行っています。

このミニストリーを始めるとき、やはり神さまの導きがあったのでしょうか。

私は美術大学二年生の時、英語の先生だったアメリカ人宣教師に誘われて教会に行ったのが、キリスト教との出会いでした。それから半年後には明確な信仰を持ちますが、それと同時に「神と美術」とは全く関係ないのだと思わされて、大いなる悩みに陥りました。
その後、神学校を卒業し、牧師として十一年間務めますが、信仰の原点であった「神と美術」との関係を探りたく、現在の働きを始めました。つまり、自分に与えられた「悩み」こそが、今の働きの原動力になっています。
また、ひとりでデボーションしているときに「心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい」(ヨハネ一四・一)のみことばが心に迫り、この働きを始める決断となりました。

決して楽ではない活動を、十年以上続けてこられたのはなぜでしょう。

この働きを始める前に、ある伝道者にこれまでの「神と美術」に関する悩みを告白したとき、その方が「そんなに悩んできたのなら、きっといい働きができる!」と語られ、それが大いなる励ましとなりました。今も、その声が聞こえてきます。
先ほど言いました「悩み」があったからこそ、また同じように悩んできた同志が与えられて来たからこそ、継続されているのではないかと思っています。

芸術作品を切り口にして聖書を伝えるメリットはどんなことですか。

「聖書」が絶対的であるのに対して、「芸術作品」は一人の芸術家によって作られる相対的な表現に過ぎません。そのことを十分にわきまえているならば、作品は私たちの信仰を迷わしたり、妨げたりすることはありません。むしろ、絵から来る新鮮な感動が、聖書の見方を豊かにし、その深みに私たちを導いてくれるよき助けとなると思います。

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巨匠が描いた聖書
ベストセレクション

著者・訳者など:町田俊之160頁 2,700円+税
フォレストブックス

【お詫びと訂正】 『巨匠が描いた聖書 ベストセレクション』に掲載した絵画3点について、著作権のクレジット表記の掲載漏れがありました。作者並びに関係者の方々にお詫びするとともに、訂正させていただきます。


  • p24-25 マルク・シャガール作「アブラハムと3人の御使い」
  • p39 マルク・シャガール作「紅海への渡渉」
    →上記2点に「©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo,2018 ChagallR G1551」を追加
  • p117 ジョルジュ・ルオー作「キリストの顔<受難>」
    →上記に「©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo,2018 G1551」を追加