《1分でわかる》ベタニヤのマリヤとは?

ベタニヤのマリアとは?

ベタニヤのマリヤ…

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このマリヤは、都エルサレムから南東約3キロのベタニヤに、姉マルタ、兄弟ラザロとともに住んでいた。イエスと一行に定宿を提供できるほどの資産家であったと思われる。マリヤは十字架の死を目前にしたイエスに香油を注いだことで知られる。遠国インドの植物ナルドの根から抽出した、300デナリ(ほぼ一年の生活費に相当)の高価なしろもの300グラムを丸々イエスの足に塗り自分の頭髪で拭った(当時召使の頭髪はそのように用いられた)。「マタイの福音書」及び「マルコの福音書」は「ヨハネの福音書」の記事と細部が若干異なるが、同じ出来事を扱ったものとみてよいだろう(「ルカの福音書」7章は似通った別の事件)。

 イエスはそれを自分の葬りの備えと受け取ったが、弟子のユダはこれを法外な浪費となじり、「なぜ貧しい人々に施さないのか」と詰め寄る。それに対する「貧しい人々ならいつだって傍にいるだろう」というイエスの答えは衝撃的である。「貧しい人々」を唐突に持ち出して正論を吐くために利用するのは、われわれの浅ましい常套手段であるからだ。

 「世界中どこででも福音が伝えらえるときに、彼女のことも語られて、この人の記念となるだろう」という、1世紀に記されたイエスの言葉は、2000年後の今、いよいよ現実味を帯びる。バッハ「マタイ受難曲」においても感動深く歌われている。
(出典:岸本紘『聖書人物伝 これだけは知っておきたい127人』フォレストブックス, 2013, 200p)

聖書人物伝
千代崎秀雄、鞭木由行、内田和彦、杉本智俊、岸本紘 共著
224頁 定価1,800円+税 いのちのことば社