《連載》土と聖書で〝生き直し〟〔第6回〕

信仰生活

洗礼を受けたヨウ君(前列左から3番め)とメンバーたち。同2番めが山城テモテさん

 

きさき・ともゆき
1971年生まれ。2005年、依存症者の更生と社会復帰を支援する一般社団法人「ティーンチャレンジ・ジャパン」を設立。2013年からは岡山に拠点を移し、引きこもりや依存症の若者を農業を通して社会復帰させるプログラムの構築に取り組む。

第6回 「岩地の種」タイプ? お帰りノブ君!

ティーンチャレンジ・ジャパン ディレクター 木崎智之

2019年2月21日(木)

 鶏糞を満遍なく散布する必要があることを学んだので、「ライムソワー」(肥料散布機)という農器具をオークションで購入し、トラクターの後ろに取りつけた。ちゃんと散布できているか確認するために振り返りながら運転するのだが、一時間もすると首が痛くなる。やはり人間は、振り返りながら働くようには造られていない。イエス様が、「鋤に手をかけてからうしろを見る者はだれも、神の国にふさわしくありません」(ルカ9章62節)と言われたのは、「一度でも振り返ったら地獄行きだぞ」と脅しておられるのではなく、「振り返り続けていると疲れるだけでいい働きができないので、最初からやらないほうがいいよ」と忠告してくださっているのだ。

2月22日(金)

 鶏糞の次に石灰を撒き終わって帰る途中、知らない番号から電話がきたので取ったら、先週帰宅したノブ君だった。「自宅で1週間悩んだ末、自分は神様に頼るしかないことがよくわかったのでティーンチャレンジ(TC)に戻らせてください」とのこと。悪魔の誘惑から守られ、一日中賛美と祈りとみことばしかないTCという場所をしばらく離れたことで、逆にその必要性を再認識できたというわけだ。

 農作物を育てるとき、少し伸び始めた根を切って強い根が生えるようにしたり、根が下に伸びるようにわざと水をあげなかったりすることがある。業界用語で「根をいじめる」と言う。さしずめ「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」の植物版とでもいうところか。

 イエスの種蒔きのたとえで、種が落下した2番めの地は岩地で、その人たちは「みことばを聞くと喜んで受け入れるのですが、根がないので、しばらくは信じていても試練のときに身を引いてしまう」(ルカ8章13節)

 熱しやすいが冷めやすい人は、しばらく切り捨てたり突き放したりすることで根を強くすることができるのではないか。再入学したノブ君は、別人のように、積極的に学ぶ姿勢や指示にすなおに従う態度を見せている。

3月28日(木)

 11月に入学して12月に信仰告白したヨウ君の洗礼式。沖縄から、「Mr・ティーンチャレンジ・ジャパン」の山城テモテ先生(沖縄TCディレクター)が司式に来てくれた。終日曇りの予報だったが、気持ちよい春の天気になった。ふと、雅歌の一節が心に浮かんだ。

 「ご覧、冬は去り、雨も過ぎて行ったから。地には花が咲き乱れ、刈り入れの季節がやって来て、の声が、私たちの国中に聞こえる」(雅歌2章11、12節)

〈「百万人の福音」2019年6月号〉

ティーン・チャレンジ・インターナショナル・ジャパン
〒700-0976 岡山市北区辰巳28-119-301 TEL:086-244-6080
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