《連載》土と聖書で〝生き直し〟〔第4回〕

信仰生活

きさき・ともゆき
1971年生まれ。2005年、依存症者の更生と社会復帰を支援する一般社団法人「ティーンチャレンジ・ジャパン」を設立。2013年からは岡山に拠点を移し、引きこもりや依存症の若者を農業を通して社会復帰させるプログラムの構築に取り組む。

第4回 肥料も聖書も満遍なく!

ティーンチャレンジ・ジャパン ディレクター 木崎智之

 

2018年12月25日(火)

 クリスマスだが、農協の方が来てくださった。今期の白菜の収穫率が23%と超不作だったので、原因を解明しないといけない。生長し過ぎて破裂した白菜の横に生育不良の白菜があったので、農協の方に原因を尋ねると、畑に満遍なく肥料を撒かなかったことが原因らしい。1トンを手作業で撒くとムラが出る。肥料の塊がヒットした苗は急成長して爆発するし、少ないと養分が足りなくて枯れてしまう。

 ティーンチャレンジ(TC)に来る生徒の約半分は、クリスチャンホームからだ。神様を信じて教会に行っているのに、なぜ依存症のままなのか? それは聖書の読み方が偏っているから、ということが一つ考えられる。彼らは、「神様が愛している」「イエス様が赦してくれる」「信じる者は皆救われる」というところだけを読んで、犯罪を犯しても借金を踏み倒してもアル中でも、最終的には天国に行けると思っている。

 だから、「思い違いをしてはいけません。淫らな行いをする者…盗む者…酒におぼれる者…はみな、神の国を相続することはできません」という聖句を見せると、ショックを受ける。そんなみことばを聞いたことも見たこともないからだ(さぁ、どこに書いてあるでしょう?)。

 満遍なく聖書を読むには、通読するしかない。しかし、いったいどれだけのクリスチャンが聖書を通読しているだろうか? おいしいところだけ読んでいたら、成長ではなく肥満して破裂し、他の部分が生育不良を起こすのだ。ちなみに数週間前に信仰告白したヨウ君は、スポンジが水を吸収するように聖書を読んでいて、すでに新約を終えて旧約を読み始めている。

1月4日(金)

 正月早々に、家族からの緊急要請でノブ君が入学してきた(彼も自称クリスチャン!)。依存症者を抱えた家族にとっては毎日が闘いで、気の休まる時はない。だからTCも、年中無休で生徒を受け入れる。

1月24日(木)

 生育不良の白菜1万株を、トラクターで挽き潰した。育てるのに5か月かかったが、2時間で跡形もなくなった。これが全部生長していれば、と悔しさが込み上げてくる。野菜を捨てるときですらそう感じるのだ。ふと、自分がいのちを与えて育てた人間を、滅ぼさなければならないかもしれない神様の気持ちを、かいま見たような気がした。

 「あなたは…この唐胡麻を惜しんでいる。ましてわたしは、この大きな都ニネベを惜しまないでいられるだろうか」(ヨナ4・10、11)

〈「百万人の福音」2019年4月号〉

ティーン・チャレンジ・インターナショナル・ジャパン
〒700-0976 岡山市北区辰巳28-119-301 TEL:086-244-6080
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