《本当は怖い聖書》「意に沿わぬ者は殺す」血ぬられた王妃が迎えた最期

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「意に沿わぬ者は殺す」
血ぬられた王妃が迎えた最期

 大昔、イスラエルという国にいたアハブ王は、他国からイゼベルという女性をめとりました。この妻は気性が荒いことで有名でした。
自分の国の神を信奉していた彼女は、イスラエルをずっと守り導いてきた神に仕える預言者をことごとく殺してしまったこともありました。

 ある時、アハブ王は、宮殿のそばにあったぶどう畑を自分の野菜畑にしたいと思い、所有者に譲ってくれるよう交渉しました。
しかし、所有者は「私の先祖のゆずりの地をあなたに譲るなど、主(神)にかけてあり得ないこと」と答えました。
王は怒って宮殿に帰り、食事もせずにふて寝してしまいました。そこに、イゼベルがやってきて、王に不機嫌の理由を聞きました。するとイゼベルはこう答えたのです。
「今、あなたはイスラエルの王権を得ています。私がそのぶどう畑を、手に入れてあげましょう」
イゼベルは、町の長老たちに手紙を送り、そのぶどう畑の所有者が神と王を呪ったと、よこしまな者に偽証させ、所有者を殺せと王の名で命じたのです。
長老たちは、そのとおり行い、ぶどう畑の所有者は無実の罪で石打ちにされて死にました。

 こうしてアハブ王が、そのぶどう畑を手に入れた時、預言者エリヤに、次のような神のことばがありました。
「さあ、アハブにこう言え。『主は言われる。あなたは人殺しをしたうえに、奪い取ったのか。』また、彼に言え。『主はこう言われる。犬たちがあなたの血をなめる。』」
さらに、神はイゼベルについても恐るべき予言をしました。これを聞いたアハブ王は、自分の外套を裂き、粗布をまとって断食をしました。これを見た神は、自分の前でへりくだっているアハブには、生きている間はわざわいを下さないと約束しました。しかし、アハブ王が死ぬと、彼の息子は殺され、因縁のぶどう畑に投げ捨てられたのです。

 あのイゼベルはどうなったでしょうか。
後にイスラエルの王となるエフ―という人物が、宮殿に攻めのぼった際に、窓に座っていたイゼベルがエフ―を誹謗しました。もはや彼女を庇護する実力者はいないのに、あくまで強気です。
エフ―は彼女の近くにいた宦官に

「突き落とせ」

と命じ、実行されたのです。その後、放置された遺体は、野良犬にでも食べられたのでしょうか、頭骸骨と両足、両手首しか残っていなかったといいます。

 げに恐ろしきは、人間の心に潜む闇なり――。
(参考資料:『聖書 新改訳2017』列王記Ⅰ 21章)

 

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