《旅する教会》プロローグ②:登場人物紹介

社会・国際

旅する教会 ーアジアの教会を訪ねて

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円卓を囲んで(登場人物紹介)

 さて、マレーシアでは、空港からホテルに移動した後は本当にずっとホテルにこもりきりだった。
 何しろこのPALD(Pan Asia Leadership Development)研修は今回初めて行われ、実験的な要素も大きいものだという。だからこそ、2泊3日を会議室にこもっても、関係者の顔合わせと研修の概要を理解するだけでも、時間がまったく足りないくらいだった。

 クアラルンプールの市内にある非常に立派なホテル。その中のやはり豪華な造りの会議室で、大きな円卓を囲んで革張りの椅子が並んでいた。
 円卓を囲んだのは、この研修のスタッフと各国からの参加者合わせて13人だった。
 登場人物紹介のようにして、簡単に紹介しよう。なお、アジア各国はそれぞれお国の事情が違うので、万一なにか支障があると困るので、仮名だと思ってほしい。

円卓を囲む参加者の面々

■ 高澤健先生(日本)
 この研修の発案者で、国際宣教団体としてのAsian Access Internationalの副総裁。「何か面白いことを話してください」と頼むと、いくらでも小話をしてくれる。賢者だけど雰囲気は軽くて明るい。通称タケシさん。

■ ドリーさん(アメリカ)
 タケシさんの妻で、アメリカ出身の宣教師。思慮深く細やかな気遣いの人。むしろタケシさんより日本的な雰囲気では、と思う。

■ ティリニ(スリランカ)
 もう一人のスタッフで、旅の仲間の中では最も若いスリランカから参加した女性。顔がタレントの森泉さんに似ている。

■ ジェイ(南インド)
 南インドから参加。ボリウッドの有名俳優にすごく似ているらしい(知らんけど)。開拓からはじめて1000人以上のメンバーをもつ教会の牧師で、教会のミニストリーとしてビジネスなど様々な活動をしている。

■ ラジブ(南インド)
 同じく南インドから参加。僕と同じ年で彼のお父さんも牧師なので、色々と共感するところがある。穏やかだけど知的な感じの人。

■ ウェスレー(ミャンマー)
 いつも巻きスカートを着ている「ウェスレー」。もともと主流派の大きな教会で牧師として仕えていたそうだが、もっと伝道的な働きをしたいと導かれて教会増殖の働きをしている。ミャンマーのAsian Accessの代表者(National Director)。

■ サヤパ(ミャンマー)
 ウェスレーと同じく主流派の教会を辞して開拓の働きをしている。将来的には国際的な働きに仕えたいと願っている。難病を抱えながら忍耐強く研修に参加。

■ クシ(バングラディシュ)
 地方の少数民族の出身で、同じく少数民族への伝道をしている。同時に、彼らの言語での聖書訳も使命として取り組んでいる。

■ エリソン(バングラディシュ)
 日本で言えばKGKにあたる学生のためのミニストリーの主事をしている。

■ ソフィア(カンボジア)
 もともと仏僧だったけど、宣教師をつうじてイエス様に出会ってクリスチャンに。ミッションスクールを経営しながら教会を牧している。いつもジョークを言っているムードメーカー。

■ ダレ(カンボジア)
 首都のスラムに近い地域で教会の働きをしている。声が天龍源一郎さんみたい。

 これに僕と播先生を加えた参加者10名、スタッフ3名の旅の仲間たちである。

ようするにこの研修って??

 さて、円卓を囲んでスタッフの3人から研修についての簡単な説明を受けたが、これが実に難解だった。というのも、研修の目的が、参加者の成長とアジア間でのミニストリーの成長のためだというのは漠然とわかるのだが、特に「こうなること」という具体的な目標はあえて定められていないのだ。さらに、研修の内容も参加者にゆだねられているという。
 これから2年の間に参加国を順にまわり、各国の参加者がそれぞれ自分の国でホスト役として研修を準備する、ということになっている。つまり、スタッフが用意した何かに参加するというのではなくて、自分たちで作りながら進んでいく研修だということだ。
 他国の働きから学ぶだけでなく、自分の国でも「学んでもらうことから学ぶ」のが肝なのだ(と思う)。
 意欲的で面白い研修だとは思いつつも、僕はなかなか具体的にイメージができずにいた。他の参加者も同じように感じた人は多かったようで、「意味わからんから参加しない」と、一時は辞退しようとしたメンバーもいたと後で聞いた。
 しかも、お互いに初めて顔を合わせた同士で緊張感もあり、僕自身も神様の導きという強い思いがなかったら、同じように辞退しようとしていたかもしれない。
 それでも、個性豊かな参加者たちと、各国を回っていく旅は、意味わからんからこそ想像を超えた面白いものになっていくのだった。

 ということで前置きが長くなったが、読者の皆様にはこの不思議な旅にお付き合い願いたい。

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