《旅する教会》ミャンマー編⑩:教会になる旅路(ミャンマーの旅まとめ)

社会・国際

旅する教会 ーアジアの教会を訪ねて:ミャンマー編⑩

鈴木光(すずき・ひかり):1980年、横須賀生まれ東京育ち。アメリカの神学校を卒業後、2006年に日本キリスト教団勝田教会に伝道師として赴任。2010年より主任牧師。妻と娘1人。著書に『「バカな平和主義者」と独りよがりな正義の味方』(2016年、いのちのことば社)、『伝道のステップ1、2、3』(2018年、日本基督教団出版局)。趣味は読書(マンガ)とゲーム、映画、ネット。

 これはアジアの教会のリーダーたちが、互いの国の教会やリーダーを訪ね歩いて学んでいく共同体型の研修〝PALD(Pan Asia Leadership Development)〟の様子を記した旅エッセイである。僕と旅の仲間たちの道中を、どうぞお楽しみください。(毎週火・金曜日更新! この旅のはじまりについてはこちら

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教会になる旅路(ミャンマーの旅まとめ)

 途中で書いたように、このミャンマーの旅はPALDの旅全体の中でも、特に僕自身にとって霊的なブレイクスルーを体験する時になった。
 繰り返すようだが、日本は福音が伝えられてから500年、プロテスタントでも150年を経過してなお1%ほどのクリスチャン人口で、「宣教師の墓場」とか「(悪い意味で)驚異の未伝地」と呼ばれる日本で、人口の5%がクリスチャンになるという幻が僕にはある。
 数字を強調したいのではない。シンプルにもっと多くの人にイエス様に出会ってほしいのだ。でも、そうなっていくという希望はハッキリともっているのに、今と未来がどうしても地続きで描けなかった。でも、それが今回ふっと「今」と「未来」の間に道が通ったように感じたのだ。
 それは何か特別な方法による変革ではなくて、福音を直接かつ熱心に伝え、社会の直面する問題にもクリスチャンが信仰をもって誠実に応えていく時に、聖霊の働きの中でごく自然に起きていくことだとわかったのだ。

 アジアンアクセスでは、教会増殖が一つのテーマになっている。リーダーたちを励まし、整えて、教会が生み出されていくことで福音が人々に行き渡っていくと信じているのだ。その中でも、教会増殖は僕もまったく賛成なんだけど、主流派の既存教会のグループに所属する自分としては、いわゆるこれまでの「教会開拓」だけが道だというイメージにどうしても違和感があった。
 教会増殖は、新しい教会を「生み出す」ことだけにあるのではなくて、既存教会が「生き返る」ことも含んでいると思う。そして、それは別々のことではなくて、「教会が教会となっていく旅路」の中で自然に起こることなのだと思う。

 僕はこれまでどうしても日本全体に福音が広まり信じられていくことが、この旅の以前に学んだ色々なやり方(だけ)ではイメージはできなかった。でも、ミャンマーやアジアの教会の変化(の途中だけど)を見ている中で、初めて地続きで将来確かに日本でも福音が広く信じられるようになる姿がイメージできるようになったのだ。それは本当に地道なことを積み重ねていくことなのだけど、僕はそれにもう一度献身しようと思わされた。
 わずか4か国をみただけで、各国と日本の今置かれている状況は違うのだし、今回見えていない複雑なネガティブな状況もあるかもしれないけど、だからといって結論に変わりはないと思う。
 これまでのことを何一つ否定はしないけれども、現在私たちがいる状況は事実としてあるのだから、ここをスタート地点と思って新しく進み出せばよいのだ。

小さなバスの大きな旅の仲間たち

 「旅する教会」ミャンマー編は本稿で最終回です。次回12月11日〔金〕よりカンボジア編がスタート!
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