《この町この教会》帯広キリスト教会を訪ねて

証し・メッセージ

《この町この教会》帯広キリスト教会を訪ねて

外国人留学生たちが頼りにする教会

日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団 帯広キリスト教会
〒080-0838 帯広市大空町4-6-6 TEL:0155−47−2230

 広大な農地が続く十勝平野は、北海道の代表的風景の一つ。その中心地、帯広にはいくつもの教会があり、なかでも福音派教会は日頃から教団の枠を超えた連携をしてイベントなどを行っている。その一つに、帯広キリスト教会がある。1990年代、帯広市郊外で牧師の吉田敦さんによってスタート。最初は家族だけだったが、やがて数人の教会員が集うようになった。
吉田敦牧師、和子夫妻

多様な国籍の留学生が集まる「プラットホーム教会」に

 その後、1996年に訪れた1人のフィリピン人男性が、教会に大きな変化を起こすことになる。吉田さんは、当時をこう振り返る。

 「彼は、獣医学の博士号を取るために帯広畜産大学に来たのですが、クリスチャンで、母国で通っていた教派と同じということでウチに来ました。それで英語礼拝を始めたのです」

 さらに仲間の留学生5、6人が加わって日本人との合同礼拝となり、吉田さんの妻、和子さんが英語の同時通訳をした。今では家族で来日した留学生なども訪れ、アフリカ系、アジア系の人が集っている。帯広での勉強が終わると帰国し、また新しい人々が来る「プラットホーム教会」なのだ。

 「私たち、こうなることを望んだことはなく、このために召されたという意識もなかった。本当に予期しない働きでした。しかし今では神様からのものなのだと思います」と和子さんは語る。

 牧師夫妻は、教会活動以外でも留学生たちのサポートをしている。それは役所や病院での通訳など生活面の多岐にわたる。

 「ささいなことまで電話がかかってきます。ストーブの火が着かないと連絡が来て、行ってみると、使い方がわからないだけだったり。本当にアフリカの生活とは別世界ですから」(敦さん)

 環境の違いや栄養バランスの悪い食事などから、重病に陥る留学生もいる。

 「エチオピアからの留学生が結核にかかったことがあり、入院中の衣類の洗濯などをしました。『国を代表して来ているんだから、しっかり食べないと』と叱りました」と和子さん。

 こうした働きは大学の教授会からも感謝され、「最初はどうしてそこまでするのかと不思議がられましたが、『ああ、隣人愛ですね』と感心されました」(和子さん)

それぞれが自国の料理を持ち寄り、国際色豊かな愛餐会

礼拝形式も柔軟に、臨機応変に

 礼拝時間はアフリカ的で、時間通り始まることは少ない。賛美にはアフリカの曲も取り入れている。

 「大学の行事が日曜の午前中にあれば、礼拝を午後にすることもあります。礼拝プログラムも日本のオーソドックスな形とは違いますが、イエス様を中心に置いていれば、こういう教会があってもいいのでは」と敦さんは考えている。

 教会には「神の近くにいることが幸せです」(詩篇73篇28節)という標語が掲げられている。

 「ここに集う人たちが、そう感じられることを最優先にしています。そのためには、教会の在り方に柔軟さがあってもいい。以前の自分は律法主義的だったと感じています。それを、留学生たちから教えられた」(敦さん)

 留学生の兄弟姉妹たちは、友人に「教会は楽しいからおいで」と言って誘っている。キリストの体なるすべての教会が、何年通っても心底そう言える場所であってほしい…。北の大地に立つ小さな教会に接して、改めてそんな思いを募らせた。
【「百万人の福音」2017年3月号より】

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